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ミシンの森

アックスヤマザキ通信

2014/10/24

上下の糸調子の合わせ方

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。


さて、今回の「こんなとき・・・」は、上下の糸調子についてです。

布と糸の種類によって糸調子が微妙に変わります。
最近では自動糸調子機能のミシンもありますが、
自動糸調子だからといって、完全に自動で糸調整を行ってくれるミシンはほんのわずかです。
厳密な糸調整ですと個人の好みありますし、縫われるものによっても出し方が変わってきます。


今日は、糸調子の簡単な合わせ方をご案内させていただきます。
熟練の方はおさらい程度にお付き合いいただければ幸いです。

簡単な布に対する糸調子の合わせ方
1. 布が厚い
2. 布が固い
3. 繊維の密度(針を刺してみると刺さりにくいなど)
4. 革やビニールなど


このような布の場合はそのまま縫ってしまうと、布裏に糸がゆるんでいるように見えるのではないでしょうか?
糸をきちんと引き上げ切れていない事が原因です。
上糸調子を極端に「強く」してみてください。
布の裏の緩んだ糸がなくなることがあります。
それから糸調子のつり合いによって、徐々に弱くすると合う糸調子がみつかると思います。
一度試してみてください。

5. 布が薄い
6. 布が柔らかい
7. 網のような布
8. 腰のない布


このような布は縫い始めから、布がくしゃくしゃに縮んでしまったり、布が進まなくなる場合があります。
また、布を噛み込みやすい為、縫い始めから縫えなくなることが多くあります。
縫い始めの糸を少し長めに引き出しておき、
糸を後ろに引きながらスタートボタンを押して
ください。

上下の糸を持っていただく事で、布の噛み込みを防ぐ事が出来ます。
少し縫いだせば進んでいくはずです。一度試みてください。

また、「布の表も裏も糸が真っ直ぐで縫い目になっていない」と感じられる場合もあると思います。

糸調子は合っているのですが、布が薄いと糸の太さが勝ってしまい、通常の縫い目の様には見えない状態になります。
細い糸と針に変えていただく事で、布と糸のバランスが合うとより縫い目が整いやすくなります。

ミシンの説明書にも簡単な糸調子の表は記載がありますが、

世間には無数の糸・布が販売されています。
それぞれの組み合わせ方で糸調子も異なってきますので、たくさん縫っていただき、
布と糸と糸調子のバランスを色々と経験していただくと糸調子の合わせ方もスムーズに解るようになってくると思います。

糸調子が合わずにトラブルが続く場合はミシン本体の調子が悪い場合もありますので、
お気軽にサービスセンターへお電話ください。

2014/10/17

学校への出張ミシン修理

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

今日は、技術部担当者より出張修理時のお話を聞かせてもらいましたので
ご紹介したいと思います。

当社では通常、出張修理はお受けしておりませんが、当社の近くの学校より、かなりの台数をまとめて修理のご依頼を戴いた為今回は特例での出張修理を行うこととなりました。


                       ・・・・・・・・・・・


学校に到着し、修理するミシンを確認。

学校で使用していただいているのは直線専用ミシンでした。
早速修理へ取りかかります。


針板の針穴周辺に無数の穴や傷がありました。
これは縫っている最中に布を引っぱったりし、針も一緒に曲げてしまい、針が針板に当たって出来た傷です。
中には針穴より5mmぐらい離れたところに傷がある物もあります。これは~針が折れて飛び散った可能性があります。怖いですね。
布の進みが悪いと無理に布を引っ張ってしまいがちですが、針が曲がって部品が傷ついてしまうと糸絡み等のトラブルにもつながります!

布の送りが悪いときは、縫い目を粗くし、手はあくまでも補助として布送りをサポートしてあげてください。絶対に布を引っ張らないでくださいね。


                      ・・・・・・・・・・・


次にボビンケースを確認しました。
修理ミシンに入っていたボビ ンケースは所々に傷がありました。
ボビンケースの周りの外周部分に傷ができると糸が傷に引っ掛かってしまい縫えなくなります。


傷ついたボビンケース



このボビンケースも新品か修復できそうなものは修復し、次にミシンに装着されている針の確認を行います。

確認した針は・・・サビついています。これでは布にうまく刺さりません。



サビついた針



いよいよ、カバーを開き構造自体でおかしな部分がないかチェックを行います。
針のタイミング等々を確認しましたがどこにもおかしな所はありません。
油切れやグリスが凝固していて動作が悪くなっているだけでした。
なかには糸調子が効かないミシンがありましたが原因は糸調子皿の間にホコリ等が溜まり、皿が開いたままになって起こっていました。
糸調子皿は上糸の調節を取る部分です、糸1本に対し抵抗を加えますので、小さなホコリがはいっているだけでも糸調子が正しくかからない原因になります。

ミシンを保管される際は中にホコリがたまらない様、カバーをかけて保管していただく事をお勧めします。

                      ・・・・・・・・・・・


今回修理を行ったミシンのほとんどが油切れやグリスが凝固、ボビンケースの傷など日ごろのメンテナンスで十分カバーできる部分でした。
メンテナンスをおろそかにしてしまうと、ミシンの故障につながっていくわけですね。

普段し慣れない機械のお手入れは、なかなか自分一人ではできないという方もおられるかと思いますが、日々のメンテナンスで快適にミシンを使うことが出来ますので是非チャレンジしてみてください。
お手入れ方法が解らない方は、お気軽にお電話にてお問い合わせくださいませ。


では今日ここまで、またお会いしましょう。

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2014/10/10

ミシンで真っ直ぐに縫うコツ

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

今日は技術部の開発担当よりミシンで真っ直ぐに縫うワンポイントのお話です。


ミシンの講習会などにお邪魔したとき、
「真っ直ぐに縫うのが苦手(縫い曲がってしまう)」と仰る方が多く
その都度、アドバイスを差し上げて喜んでいただくことが多いそうです。
今回はそのアドバイスの内容を書いてみたいと思います。


なぜ曲がるのか?

それは心が真っ直ぐでないから...というのは冗談で、
ミシンに不具合が生じていない場合、以下のような原因があります。

その1:ミシンに真っ直ぐ対峙していない
ミシンの前に座るとき、針の真正面に座っていますでしょうか?
ミシンの針はミシン全体の形の中で左寄りに配置されているので
ついミシン全体の中央に身体の中心を置いてしまい
針や押えを左斜めに見てしまっている状態になって縫い曲がりが生じているケースがあります。

そんな簡単なことで?と驚かれるかもしれませんが
意外と針の真正面に座るように気を付けるだけで縫い曲がりが直ってしまうことが多いのです。

その2:針を集中して見てしまう
これは心理的な要素も絡んでくるのですが
目標とする縫いあがりラインから外れないようにと
意識ばかりがあせって、針から目を離さないでいると
縫い曲がったりラインから外れてしまうことが多いようです。
実際には曲がってしまっているときは生地が針のところに行ってからでは遅いので
むしろ、押え金の手前の部分を見ながら補正していくと上手く仕上がります。

このとき、「押え金のこの辺りは針から何ミリ」といったことを頭に叩き込んでおけば
ステッチガイドなどが無くても縫い代端からの距離を目測できるようになります。
sisen.jpg

その3:生地を押え過ぎている
縫い曲がりが生じてしまう方に共通しているのは
生地を押える手に力が入りすぎているということです。
ミシンはとりあえずは勝手に生地を送ってくれるようになっています。
そのミシンの送りを阻害するほど生地を手で押さえつけてしまっている方が多々見受けられます。
たしかに布送りが困難な厚地の段縫いなどでは手の力が必要となることもありますが
通常は軽く手を添えて進路が乱れないようにするだけです。

こういった感覚を身に付けるためには簡単な練習をしてみるのが良いかと思います。
別にミシンに糸を掛けなくても端切れや古新聞で結構ですから実際にミシンで練習して
ご自分のミシンの送りのクセや押え金の大きさの目安などを理解するように努めてみてください。
ミシンに愛着も湧いて、ソーイングがより楽しくなりますよ。
IMG_4053.jpg

2014/10/03

糸が絡まってしまった時の対応

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

今日のワンポイントは、糸や布が噛みこんでしまった時の対処方法です。

ニット布や薄い裏地など、縫い始めに針の穴に糸が布ごとカマ部分に噛み込み、布を取り出すことができなくなってしまったことはありませんか?

こんなときははずみ車を回しても、針が上がらず糸だけを切ることもできなくなってしまいます。

結局、布にはさみやカッターで穴を開けてしまうことになることもあると思います。
このようにならないように、針が薄い布を針穴に押し込んでしまうことの無いようにするコツがあります。


********************************

 縫い始める前に上下糸をそろえて押えの後ろ側に糸をつまんで引き出せる長さ(10cm程)にしておきます。
縫い始める布を針下に置き、押えを下し、針を刺します。
押えの後ろ側の引き出しておいた上下糸を引っ張りながら縫い始めます。

********************************

このように、布を引っ張るのではなく、「糸」を引っ張ると、
針が曲がったり引っ張りすぎて布が伸びたりするのを防ぐことができます。
一度試してみてください。


もしも、絡んでしまったときは・・・・・・・・ハズミ車を回しても針が上がらないときにはボビンケースの周りに絡んでいる糸を切ってください。
ほとんどはこれで外れます。
※絶対に無理やりはずみ車を回そうとはしないでください(故障につながります)

もし、ボビンケースの周りの糸を切っても外れない場合は・・・・・


押えを上げます。
針止めネジをゆるめます。
ハズミ車を少しずつ逆回転・正回転へと繰り返し回すと絡んでいる糸がゆるんできます。
絶対に無理には回さないでください。
ゆるんできたら布を少し持ち上げながらハサミを布と針板の隙間に差し込み糸を切ります。

また、針穴に布が食い込んでしまっている場合には、
布と針板の隙間でハサミを入れると布に穴があいてしまうため、布を持ち上げながら針板のネジを外し、針と布・針板をまとめてミシンからはずし、針板の裏側の糸を切ると布が外れます。
このときに針が付いているのでけがをしないように気を付けてください。

糸絡み等は落ち着いて、ひとつずつ外していく事が大切です。

あせらずにゆっくり作業してくださいね。

ご自身で解決できない時は、お気軽にフリーダイヤルまでお問い合わせください。

 

それではまた。

 

 

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2014/09/24

ミシンの上糸と下糸の合わせ方

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

お電話で糸調子の合わせ方や糸絡みのトラブルのご案内を
させていただく事が良くあるのですが、時々上糸と下糸の目の出方を勘違いされている方がおられます。

糸調子はミシンの縫い目の仕組みを理解していただく事でとても合わせ方が簡単になると思います、
今日は解りやすく写真を見ながらお話したいと思います。

夏の暑さも和らぎ、これからミシンを使われる方も多いと思います。
ベテランの皆さまは、おさらい程度に流し読みしていただければと思います。


ミシンの糸調子の話は過去にも何度か取り上げてきました。
上糸と下糸の引き合う強さを合わせてあげると、布の表も裏もきちんとした縫い目になりますね。

普通の縫い目

この様な状態ですね。
(写真の縫い目は、厳密に言うと少し上糸調子を強くした方がいい状態ではあります。)




では、問題です

お電話のお問い合わせでも多い内容なのですが

布の表側

布の表側はとりあえず縫えている状態です。
(でも少し緩いような気もします)


布の裏側

布の裏側はブカブカに糸がたるんでいる状態です。


さて、『こんな時、糸調子はどうしたらいいでしょうか?』



1番 とりあえず上糸調子を強くする!


2番 もちろん上糸調子を弱くする。











さて。。。






考えは纏まりましたでしょうか?




実は。。。ついつい2番と答えてしまう人が多いこの状況。


正解は。。。
1番ですっ!!!




布の裏側でゆるんでいる、

下糸がゆるい状態。

上糸もバランスをとって弱くした方が良い?
。。。と思ってしまう方が多いのですが。


実は布の裏側で弛んでいるのは、下糸ではなく上糸です!
上糸がたるみすぎていて、布の裏側で残ってしまっている状態なので上糸調子は強くしてあげます。



文章だと分かりにくいので、上糸を赤い色に変えて縫ってみましょう!

赤い糸に交換



下糸はさき程と同じ青い糸を使っています。
糸調子もさき程と同じです。


布の表側 赤

布の表側は先ほどと同じ。
少しゆるいですが縫い目になっている状態ですね。

では、布の裏側を見てみましょう。



布の裏側 赤

布の裏側でブカブカ緩んでいるのは。。。

赤色の上糸でした!

下糸ではなかったのがお解りいただけたでしょうか!?


ここから上糸調子を少し強めてあげれば。。。

普通どおり

普通に縫えるようになりました。


「布の裏側は下糸」と思い込んでしまうと、
裏側で糸がゆるんでいると、糸調子を逆に緩めてしまいさらに症状が悪化してしまいます。
上糸が一度釜の中を通ってから上にあがっていくという事を覚えていただけると、布の下で上糸が残っている状態を把握できると思います。

糸調子が合わない原因はミシンの状態によっても異なります。

ご自身で合わない時は深く悩まずに、お気軽にフリーダイヤルへお問い合わせくださいませ。

それでは、また。

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2014/09/17

ミシンという名前

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

近頃少し堅苦しい内容が多く続きましたので、
本日は簡単な豆知識のお話です。

早速ですが、「ミシン」と私たちは呼んでいますが、この「ミシン」という呼び方は、日本だけの様です。

英語では「sewing machine(ソーイング マシン)」といいます。
直訳すると「縫製機械」となります。

ミシン?、ソーイングマシン?

同じ文字だけですと、合っているのは「シン」だけですね。
それ以外は共通性がありません。

では、何故ミシンと呼ばれるようになったのか。
それは日本にミシンが渡ったとき、
翻訳の方が聞き間違ってしまったのかはわかりませんが、「machin(マシン)」を「ミシン」と聞こえてミシンと言われるようになったようです。

その他にドイツ語を聞き間違えてしまい~と言う説もあります。
ちなみにドイツ語ではミシンを「menschen(メンチェン)」といいます。

???う~ん???どちらが正しいのでしょうか?
でも、正解はこの他にあるのかもしれませんね。

では、本日はここまでです。

2014/09/15

水平釜の釜ズレ(故障)について

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

本日はミシンの修理より【水平釜(すいへいかま)の釜ズレ】をご紹介したいと思います。


水平釜のミシンで無理な使い方をしてしまうとミシンの故障につながってしまう場合がありますので、是非ご確認ください。


先ずは修理で届いた故障しているミシンの釜を見てください。

釜ズレ

黒い「ボビンケース」と手前にある「銀色の四角い金具(回転止め)」の位置を見てください。
この写真では、既に位置がずれてしまっている状態です。

回転どめを乗りこしてる

通常はこのボビンケースの小さな突起が、金具(回転止め)に当たり、それ以上回転しないようになっています。
この金具とボビンケースの隙間を上糸が通り抜けていくのですが、
糸の掛け間違いや無理な縫い方をしてしまうと、
布の裏側で「糸が絡まった状態」になってしまいます。

その場合、ボビンケースの周りにも糸がたくさん絡みついています。
糸の絡みに気付かず、そのままミシンで縫い続けたり
無理やり糸を引っ張って布を取り出そうとすると。。。

絡まった糸に引っ張られ、「ボビンケース」が「回転止めの金具」を乗り越えてしまいます。


正しい位置です

この「黒い小さな突起」が「金具(回転止め)」に当たっているのが正しい状態です。
金具(回転止め)に大きな変形や破損が無い場合はボビンケースの位置を正しく設置し直すと元通りになったかに見えます。
ただ、金具を乗り越えるほどボビンケースが引っ張られているという事は、
ボビンケースには絡まった糸で締めつけられた傷跡(糸溝)が出来ていたり、
金具を乗り越えた時の傷跡が残っていることがあります。

ボビンケースにも傷が

ボビンケースが傷付いた状態で縫うと、傷に糸が引っ掛かり絡まってしまいます。
傷はヤスリ等で磨いて取り除きます。


正しい状態になりました

「回転止めの金具」もバネの部分が歪んでいたので、新しいものに交換しました。
これで元通り正常な状態です。



縫っていると突然糸が絡まり、そのあと縫えなくなってしまう。

「こんなに簡単に縫えなくなってしまうの?」

と仰る方もおられますが、ボビンケースが回転止めの金具を乗り越えるには大きな負担がかかっている時です。
「ミシンの様子がおかしいな」と思ったら、ミシンをすぐに止めてください。
絡まった糸は無理やり引っ張らず、1本ずつ切って外してください。
この2点に気をつけていただければ大丈夫です!

水平釜の釜ズレは以前も取り上げていますので過去の記事もよろしければ参照してください。

それでは、また。

ミシンの修理はこちらまで。

2014/09/12

水平釜のボビン(金属ボビンの使用について)

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。


先日、ミシンの部品についてご紹介させていただきましたので、
本日は少し深堀して「水平釜のボビン」についてのお話です。
【水平釜(すいへいがま)】というと下の写真の様に
上からボビンを入れるタイプですね。
水平釜

最近の家庭用ミシンではこのタイプが多いですね。
音が静かで、下糸のセットが簡単なところが利点です。


さて、水平釜のボビンとひとくくりにしても色々な種類があります。
手芸店さん等でも各メーカーから色々なサイズのボビンが販売されていますので、どの種類を使ったらいいのか解らなくなってしまいますよね。

サイズの違いも微妙ですので、お店の人に確認しても解らない場合は必ずメーカー元へお電話等で問い合わせる事をお勧めします。
時々、家に有った古いボビンをそのまま使って
糸調子が合わなく、ミシンを修理に送られてくる方もいます。


そこで、今日は少し詳しく解説をしながら、間違った事例を紹介したいと思います。


修理で届いた水平釜のミシンの中に、金属製のボビンが入っているものがありました!

水平釜

確かに、サイズはぴったりと合っているのですが。。。。


実はこのタイプの水平釜には金属製のボビンは使えないのです。

何故かといいますと、釜の仕組みが関係しています。

ボビンケース

これはミシンから取り出した【ボビンケース】です。
周りの黒い部分は樹脂、底の部分は金属でできています。



底にマグネット

そして、ボビンケースが入っていた釜の部分です。
(掃除する前なのでホコリが多いですね)
この真ん中にあるドーナツ型の黒いもの。。。




実はこれは、磁石なんです!



ボビンケースを入れると底の金属面が、磁石の力で引っ張られるようになっています。

磁石の力で引っ張る

縫っている時にボビンケースを安定させる役割をしています。
縫う時はボビンケースと、磁石の間を糸が通って行きます。

ガタガタという音が出ないように磁石の力でボビンケースを下から引っ張っているんですね。
磁石の力を使っているので、糸が通る時も邪魔にはならない仕組みです。


つまり。。。。
このミシンに金属のボビンを入れてしまうと、

金属ボビンも磁石の力で引っ張られてしまうのです!
そして、糸調子が上手くとれず、綺麗に縫えなくなってしまいます。


一見では解らないですが、こういった理由も有り樹脂製のボビンが使われていますので、付属以外のボビンを使用される際は使用できるボビンのサイズや種類をメーカーにご確認お願いします。

(※水平釜のすべてがマグネット式という訳ではありません)

今日は少し詳しく、水平釜の構造についてのお話でした。

それでは、また。

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2014/09/10

ミシンの補充部品について

こんばんは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。



さて、本日は、

ミシン上級者の方々には当たり前の話かもしれないのですが。。。

意外にお電話でのお問い合わせが多い オプション部品 のお話です。


ミシンをご購入いただくと、最初に電源コードや、ボビン等、色々な部品がついてますね。
ハードケースや、フットコントローラー等の豪華なオプションが付いてるセットの場合もあります。

そこで、お問い合わせで良く戴くご内容が
「電源コードを無くしてしまったのですが、別売りの部品は取り扱われていますか?」

というお問い合わせです。



もちろん、補充部品は別売りで対応していますのでご安心ください。


ボビンや針などの消耗品や、ミシンの糸縦棒やボビンケースなどの専用部品。

縁かがり押えやファスナー押え、コンシールファスナー押えetc。。。。


さらに当社の場合は製造メーカーですので
自社のミシンは針止めのネジや針板のネジ。。。等
細かい部品も保有しておりますのでご安心くださいませ。


さて、その他手芸品店さんでも色々な部品が売られていますが

「市販されている部品は使えますか?」というお問い合わせもよくいただきます。

まず、手芸店さん等で扱われている部品は大きく分けて2種類です。

・各ブランドの純正部品
・家庭用ミシンの共通部品


まずブランドの純正部品では、各ブランドごと専用の部品です。
他のブランドのミシンでは上手く取り付けができない事が多いですのでご注意ください。

家庭用ミシン共通部品では、色々なメーカーのミシンでも取り付ける事が可能になっています。
押え金の場合は共通性を持たせるために、ワンタッチではなくネジでの取り付け式になっている場合が多いです。

【針】
これは家庭用ミシン用でしたら、どのメーカーのものでも共通です。
お店によっては職業用ミシンの「丸針」などが売られている場合もありますが、
家庭用ミシンでは使用できませんのでご注意ください。

【ボビン】
ボビンは様々な種類がありますので、皆さまご購入に悩んでお問い合わせいただく事が多いですね。

まず「プラスチック製」「金属製」があります。
サイズが同じでも重さが少し異なる点と、ミシンによっては【金属製のボビン】が使用できない場合も有りますのでご注意ください。

「垂直半回転釜」「全回転釜」の場合は、どのメーカーのものでもサイズは共通です。
釜の種類に合うタイプでお選びいただければ大丈夫です。

「水平釜」の場合はメーカーごとに色々なサイズがあります。
必ずサイズを確認してご購入下さい。

ボビンのサイズが違うもので使用してしまうと、
糸調子がとれなかったり、縫い目が汚かったり、糸が絡まってしまったり
という状態になってしまいます。必ずミシンに合うサイズをご確認くださいませ。


長くなってしまいましたが、手芸店などで共通部品等お求めもできますし
直接メーカーからご購入いただくこともできますので、
部品でお困りの事がありましたら
お気軽に電話でお問い合わせをおねがいします!



「部品をなくしてしまったっきり、ミシンを使わなくなってしまった。。。」

お家にあるミシンが眠っていたら是非、愛用してあげて下さいね。

ではでは、近々またボビンに関する話を掘り下げてみようと思います。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。

2014/09/08

織糸の硬い生地について

こんばんは
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です!


本日は、少し詳しく糸調子のお話をしたいと思います。

ミシンは上糸と下糸が絡んで縫い目を作ります。
上下の糸の強さを生地や糸の種類に合わせて調節することが必要です。
上糸と下糸の引っ張り合う強さをつり合わせると、布の中に上糸と下糸の絡み目が隠れるので上から見ても下から見ても綺麗な縫い目に見えます。

糸調子

フリーハンドで描いたので汚い絵で申し訳ないですが、この様な状態ですね!
どのメーカーのミシンでも、説明書にはこの様な「糸調子の説明」が載っていると思います。


さて、ここまでは糸調子の基本です!


今日はここからが本題です



布の種類によって、糸調子の合わせ方が変わる。。。と上記に書きましたが、理由は解りますでしょうか?


ミシンの上糸は布に一度刺さってから、釜の中を通って下糸をすくい、布の上に引き上げられます。

つまり、布の中を糸が通り抜けるときの抵抗が布の種類によって変わります。



その代表的なものとして、【合皮・ビニールコーティング生地】などがあげられます。

繊維状になっている布とは異なり、
合皮や、ビニールコーティング生地には繊維の穴が開いていない状態から縫い始めます。
針が刺さって出来た穴の中を糸が通って行くのです!

つまり、普通の生地より糸が通り抜けるときの抵抗が強くなるんですね。
その為上糸調子を通常よりも強くする必要があります。


布の上にひっぱり上げきれなかった糸が、布の裏側に溜まり絡まってしまうからです。



実は、この様な状態が見た目は普通の布なのに起きてしまう事があります!





それは【織糸が堅い】生地




下の写真の生地です。


織糸が堅い

何故か汚い縫い目ですよね。
実は、「糸調子が合わない」との理由で修理にお預かりしたミシンに
サンプルでつけていただいた生地なんですが。。。

縫い目はガタガタだし、ところどころ縫いしまりの悪いゆるんだ糸調子になっています。


「どんなに調節しても糸調子が合わない」

という状態だったんですが。。。実は


普通に縫えます

布を変えるだけで サ ク サ ク 縫えてしまいます!





何故、汚い縫い目になってしまうのか?
その原因は【織糸の堅さ】によるものでした!



まず【織糸】とは何でしょうか。。。?
布は糸が何本も縦と横に織られて出来ているのは皆さんご存じですよね。

布の繊維の絵


修理士さんに、図を書いて説明してもらいました!

この様に布を作っている糸のことを【織糸】と言います。
その【織糸】1本1本が堅い糸で出来ている生地があります。
丈夫な種類の生地でキャンパス地やオックス生地等が含まれます。
この様に堅い糸で織られている頑丈な生地は。。。


そう、糸が布を通る時の抵抗が強いのです!


織糸が堅い

実はこの時の糸は、#60(標準の太さ)糸で上糸の強さを一番強くしている状態です。
それでも上糸を引き上げる力が足りず、糸が緩んだようになってしまいます。



ではこの様な場合はどうするのか

解決方法は、糸を標準より細い(#90番)糸にします。

糸の太さが太いほど糸調子は強くします。
#60ではバランスをとれなくても、更に細い#90ならバランスもとれる場合があります。






。。。糸調子は解決したけれども。。。


   縫い目がガタガタしてしまうのは何故でしょうか?



針が布に刺さる時は、布の繊維の目に入っていきやすくなる習性があります。

縫い目の段がずれる

先ほどの写真を拡大してみました。
布の繊維の方向に対してまっすぐに縫ってあげないと

針がすぐ隣の目に落ちてしまい。。。出来上がりの縫い目が ガタガタ に見えてしまいます。



今日のまとめ
【織糸の堅い生地を縫う時の例】

糸は細めの(#90)糸にする
上糸調子は強めに設定する
生地は繊維に対してなるべくまっすぐ縫える様に
針は生地の目に入りやすいように少し細い針(11番)にする
(細くなると針は曲がりやすくなりますのでご注意ください)
という事です。
あくまで、縫い方の例ですので、いろいろな条件で縫い方は変わってきます。
こういった縫いにくい生地もありますので、参考にしていただければ幸いです。


布自体が丈夫なもので、キャラクターのプリント生地等にも使われていますので
カバンを作ったり、小学校のシューズ入れなどを作るのに
使われる方も多いのではないかと思います。


本日はちょっと詳しく糸調子を掘り下げてみました。
長文にお付き合いいただきありがとうございます。

それでは、また。

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