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アックスヤマザキ通信

水平釜のボビン(金属ボビンの使用について)

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

先日、ミシンの部品についてご紹介させていただきましたので、
本日は少し深堀して「水平釜のボビン」についてのお話です。
【水平釜(すいへいがま)】というと下の写真の様に
上からボビンを入れるタイプですね。

最近の家庭用ミシンではこのタイプが多いですね。
音が静かで、下糸のセットが簡単なところが利点です。

さて、水平釜のボビンとひとくくりにしても色々な種類があります。
手芸店さん等でも各メーカーから色々なサイズのボビンが販売されていますので、どの種類を使ったらいいのか解らなくなってしまいますよね。

サイズの違いも微妙ですので、お店の人に確認しても解らない場合は必ずメーカー元へお電話等で問い合わせる事をお勧めします。
時々、家に有った古いボビンをそのまま使って
糸調子が合わなく、ミシンを修理に送られてくる方もいます。

そこで、今日は少し詳しく解説をしながら、間違った事例を紹介したいと思います。

修理で届いた水平釜のミシンの中に、金属製のボビンが入っているものがありました!

確かに、サイズはぴったりと合っているのですが。。。。

実は、このタイプの水平釜には金属製のボビンは使えないのです。

何故かといいますと、釜の仕組みが関係しています。

これはミシンから取り出した【ボビンケース】です。
周りの黒い部分は樹脂、底の部分は金属でできています。

そして、ボビンケースが入っていた釜の部分です。
(掃除する前なのでホコリが多いですね)
この真ん中にあるドーナツ型の黒いもの。。。

実はこれは、磁石なんです!

ボビンケースを入れると底の金属面が、磁石の力で引っ張られるようになっています。

縫っている時にボビンケースを安定させる役割をしています。
縫う時はボビンケースと、磁石の間を糸が通って行きます。

ガタガタという音が出ないように磁石の力でボビンケースを下から引っ張っているんですね。
磁石の力を使っているので、糸が通る時も邪魔にはならない仕組みです。

つまり。。。。
このミシンに金属のボビンを入れてしまうと、

金属ボビンも磁石の力で引っ張られてしまうのです!
そして、糸調子が上手くとれず、綺麗に縫えなくなってしまいます。

一見では解らないですが、こういった理由も有り樹脂製のボビンが使われていますので、付属以外のボビンを使用される際は使用できるボビンのサイズや種類をメーカーにご確認お願いします。

(※水平釜のすべてがマグネット式という訳ではありません)

今日は少し詳しく、水平釜の構造についてのお話でした。

それでは、また。

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