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アックスヤマザキ通信

ニット生地(伸縮生地)について

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

皆さんは、ご自宅でどのようにミシンを使われていますでしょうか?
もちろん、新しい生地を購入し小物作りやお洋服づくり
そして作業着の綻びの修復に、
古い生地で雑巾を作ったり、
ちょっとしたリメイクにもミシンは大活躍ですね。

その中で、本日の話題は“ニット生地”を取り上げてみたいと思います。

一般的な生地は縦糸と横糸が交差し、織って作られています。
ニット生地は糸をループ状に編んで作られています。
そのため伸縮性があります。

ひとくくりにニット生地と言っても種類は様々で、
セーターやカーディガン、Tシャツや手袋、靴下等
身近でも幅広く使用されていますね。
ミシンでも、洋服を縫う時や、ちょっとしたリメイクの時に扱う事があるかと思いますが
ニット生地を縫うときは少し工夫が必要になります。

中にはそのまま縫っても綺麗に仕上がる種類も有りますが、生地によっては

噛みこんでしまったり
縫いずれしたり
糸目がうまく出なかったり

と縫いにくい場合があります。
必ず本縫いの前に端布で試し縫いすることをお勧めします。

では、ニット生地が縫いにくい時の症状や対処法をご紹介したいと思います。

まず、一般的なニット生地をそのままの状態で縫います。
生地が柔らかい為、針に押されてミシンの針板穴部に生地が噛みこんでしまいそうですね。

そのまま縫うと、縫えているのですが。。。

縫い目がよれてます。
このときミシンの針先からは

プツッ プツッ と音がしています。

普通の針で縫うと、網目状になっているニットの繊維を刺して傷つけてしまうです。
(これはストッキングの伝線した状態に似ています。)

そこで使用するのが、ニット針です。

見た目には普通の針と変わらないかと思いますが、
ニット針と、普通の針の異なる点は。。。

針先が丸くなっている為、繊維を傷つけずに縫うことができます。
針の後ろ側のえぐれ方が普通の針とは長さが違います。
糸をすくい易くし、ニットの生地で使うと目トビを防ぐ効果があります。

。。。ほんの僅かな違いですので、肉眼で見ても見分けはつかないですが
それでも縫い目が変わってきます。ミシンは繊細な機械ですね。

では、ニット針と普通の針の縫い比べです。

左が普通の針でニットを縫った場合
右がニット針でニットを縫った場合

針1本でこんなに違いが出ます。
すごいですね。
(ニット生地の種類によってはあまり差が出ない事も有ります)

是非、ニット生地を縫うときは、ニット針に交換をしてください。

さて、今回の生地ではこのまま縫っても問題はなさそうですが、
生地の種類によっては縫いずれが生じたり、生地が伸びてしまったり。。。
と布の押さえや、布送りに問題が出る場合も有ります。

その場合活躍するのが“上送り押さえ”などのアタッチメントです。

上送り押えには布を送る為の歯がついており、布の下の送り歯と連動して動きます。
生地を上下からつかんで送る状態になる為、縫いずれを防ぐことが出来ます。
送りの補助的な役割もし布送りもスムーズで、多少の段差は引っ掛かりなく乗り越えれるようにもなります。

今回はあまり差は出ておりませんが、見比べてみました。

赤い方は普通の押さえ金
黒い方は上送り押さえを使用しています。

大きな違いはありませんが、上送り押さえを使用した黒の方が綺麗に糸が進んでいますね。
赤の普通の押さえは僅かですが”縫いじわ”が出ています、
上送り押さえの方は解消されて綺麗な縫い目ですね。

ミシンはどんな生地でもそのままのセッティングで縫えると思われている方もおられますが、
生地に合わせてセッティングを変えていただく事でトラブル無く綺麗な縫い仕上がりとなります。

ニット生地を縫われる際は、試し縫いをして様子を見ながら
針と押えに気をつけてあげてください。
それでは、また。