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アックスヤマザキ通信

水平釜ミシンの故障原因

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。

本日は水平釜ミシンの故障の原因についてです。

ミシンは機械なので、使用期間や頻度に関わらず

間違った使い方や無理な使い方をしてしまうと故障に繋がります。

折角ご購入いただいたミシン、少しでも長く愛用戴きたい!と思っています。
そこで、本日は修理工房より間違ったミシンの使い方で起こる故障の原因をご紹介いたします。

本日ご紹介させていただくタイプは、【水平釜】という種類のミシンです。
ボビンを上からセットする形状の釜ですね。

釜の中から取り出した【ボビンケース】、ボビンを入れる部分です。

こちらは故障したミシンに入っていた【ボビンケース】です。

この【ボビンケース】2つ、同じ様にみえますが良く見比べて見て下さい。
故障したミシンのボビンケースには所々傷が入っている事に気づかれましたでしょうか?

ボビンケース上部、擦れた跡が残っています。

そして、ボビンケース側面にもひっかかり削れた跡が残っています。

そして!ボビンケース右側には
針の当たった跡が、点々と残っています。。。
奥の方は貫通してしまっていますね。
ここまで傷が付いてしまうと、縫えません。
傷に糸が引っかかって糸が絡まってしまいます。

軽い傷が付いた場合はヤスリで磨いたり、
ボビンケースを交換することで縫えるようになる場合もありますが

無理な力が加わると…ボビンケースを支えている釜の周りや
針を支えている軸が変形してしまい、修理をしないと直らない状態になってしまいます。

「ミシンってどうして簡単に壊れるの? やっぱり初心者じゃ使えない?」
購入して直ぐにトラブルが起きると
そんな風に思ってしまうかもしれませんが。。。そんなことはありませんっ!

この様な状態になるには原因があります!!!

縫っている途中で、ガチャガチャンっと ミシンが止まってしまった経験。
誰にでも1度はあるかと思います。

そのとき、布の裏側では

実はこの様な状態になっています。
【ボビンケース】の周りに糸が絡みついています!

この状態では、ミシンを手で回しても重たくて動かない状態になります。

この様になるには、薄い生地や柔らかい生地を縫って噛み込んでしまった場合や
ミシンに対して太すぎる糸を使った場合。。。などの他に

天秤から糸が外れている・・・糸を上にひっぱり上げる事が出来ないので釜の中で糸が絡みます。

上糸調子が弱すぎる・・・下糸の強さに負けて釜の中に上糸が残ってしまいます。

押さえ金を下ろしていない・・・少し厚めのキルト生地等を挟んだときに、下ろし忘れてしまう人がいます。
押さえを下ろしていないとミシンの上糸調子は効いていない状態になります。
そのまま縫ってしまうと釜の中で上糸が絡まります。

どの原因も気づかないときにうっかりなってしまっている事が多いです。

釜の中で糸が絡まっているとは気づかないまま

●無理矢理ハズミ車を回してしまう
●噛みこんだ生地を無理に引っ張って外す
等、ミシンに強い力を加えてしまうと、

ボビンケースの正常の位置から
絡まった糸に引っ張られてボビンケースが回ってしまいます。

無理な力が加わって回りますので
このときボビンケースの周りに傷ついたり、釜の周りが変形したり
という状態になります。

もしも
糸が絡まってしまった。
布を噛み込んでしまった。

そんな時は直ぐにミシンを止め、

落ち着いて、焦らずに一本ずつ糸を切って外してください。

焦らず行えば、絡まっていた糸もスルりと取り外す事が出来ます。
力ずくで引っ張ってしまうことは故障につながりますので絶対に行わない様にしてください。

ミシンを長く愛用して、たくさんの作品を作って下さいね。
ではでは、長々と失礼しました。