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アックスヤマザキ通信

ボビンケースの糸調整

こんにちは、ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。
今日はミシンの下糸の調整についてのお話です。
といっても、最近のミシンは工場出荷時に下糸は調整された状態となっています。下糸を基準に、上糸の調節ダイヤルで合わせていただく操作が基本となります。

ただ、ご利用の条件等によってどうしても上糸調整だけでは合わない場合等も出てくることがありますので

初心者の方も是非頭の片隅にでも入れておいていただきたいという内容です。

現在、家庭用ミシンの下釜の種類は

【水平釜】

【垂直半回転釜】

上記の2種類が主としてあります。
2つ目の【垂直半回転釜】というのは、

昔からある “縦にボビンケースをカチッとはめる” タイプですね。

これがボビンケースです。
今日はこの垂直半回転釜のボビンケースの調整のお話です。

皆さん、このボビンケースの正しい糸調子の合わせ方ってご存知でしょうか?

ボビンケースの螺子を回して調子を合わせるのですが。。。
僅かな角度で調整がかなり変わってしまう繊細な調整です!
通常は工場側で調子を合わせているので、自宅で調節する必要はあまり無いのですが、10年以上もご愛用いただくと、振動で糸調子螺子が緩んでしまう事もあります。
『知らない間に糸の調子が取れなくなってしまった』というお問合せを頂くこともあります。そこで、今回は
修理担当の職人をお手本に糸調子の合わせ方を解説いたします。

先ずは、ボビンケースにボビンをセットします。

この時、糸は標準的な
ポリエステル・スパンミシン糸 太さ#60をお使い下さい。
糸の材質や太さによってボビンケースを通る糸の抵抗が変わります。
標準的な糸を使用して調整することで、太い糸や細い糸に変えた時にも対応できます。

ボビンケースの糸口から糸を10cm程引き出します。

糸の端を持ち【ボビンケースを空中に吊るし】てみてください。
※ボビンケースを落として変形させてしまうと使えなくなります、柔らかいクッションや絨毯の上で行ってください。

この時、ボビンケースそのまま吊るされている場合は第一条件クリアですが、

この様に、ボビンケースがスルスル下りていってしまう場合は糸調子が弱すぎます。

マイナスドライバーで、糸口の横にある調節螺子を締めてください。

螺子を締めて、糸がズルズル出ない状態にします。

次に、そのまま軽く糸を上下に ひょいひょいっ としゃくるように揺らしてみてください。
(※横に揺らすとボビンが飛び出てしまいます。ご注意ください。)

揺らした振動で糸が5mm程出るかでないか?くらいが丁度になります。
糸がまったく出てこない場合は螺子が強すぎます。
逆に、何cmも糸がズルズルと出てくるようでは螺子が緩過ぎますので再度調節を行ってください。

以上、糸調子の合わせ方でした。
ちなみに、工場では糸の抵抗を重さで計る計測機があります。

25~30gです。

糸の材質や太さによって抵抗が変わりますので、色んな糸にある程度対応出来る値に設定されています。

最初にもお伝えしたとおり、通常は工場で調整を行っていますのでご家庭ではあまり調節の必要が無いところです。
買ったばかりのミシンを「糸調子が合わない」と言ってむやみに弄ってしまうのはお薦めできません。
別の原因がある場合もございますので、一度メーカー、または購入元へお問い合わせください。

長年お使いのミシンや、特殊な生地・糸を使われ螺子を触ってしまった場合は
ボビンケースの調子を合わせ直す必要がありますので、参考にしてください。

→ミシンの修理はこちらまで!