こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。
今日は意外な落とし穴、【針板の傷】についてのお話です。
皆さんはミシンで順調に縫物をしていたのに突然
ガチンッ と噛み込んで針が折れてしまった経験、ありませんでしょうか?
ミシンを良く使う方なら1度は経験されている方が多いかと思います。
そして、その後突然ミシンの調子が悪くなってしまった。
糸調子が取れない
糸が絡まってしまう
布の裏で糸がたるんでいる
という症状になってしまったこと。。。ありませんでしょうか?
お電話のお問い合わせでも、時々あるのですが、
原因のひとつに考えられるのが【針板(はりいた)】です。
『針板(はりいた)』は針が落ちるところに在る鉄板ですが
いつも目に見える場所にある部品なのに、ついつい見落としてしまう原因が潜んでいます。
よ~~~~~く、見てください!
角度を変えて、もう1枚。
解りますでしょうか?
左端のところに在る丸い小さな傷。
針が折れたり、曲がったり、布をかみこんでしまって縫っている途中に突然止まってしまう
と、言う事は針が何処かに当たっているのです。
つまりミシンに針が当たった傷が付いている場合が多いのです。
拡大してみるとこんなにハッキリと傷跡が!
ミシンは糸と糸が絡み縫い目を作ります。
人の目から見ると、細かい傷跡に思えるかもしれませんが、
縫い目を作っている糸から考えると、小さな傷も大事です。
針板の傷は、できる場所や深さによって症状が変わってきます。
返し縫いの時だけ糸が絡まってしまう場合は、針板の穴の手前側
ジグザグ縫いの時に絡まってしまう場合は、針板の穴の左右に
糸が切れてしまう場合は、バリの鋭い傷跡ができてしまっている事があります。
小さな傷が出来た時はマイナスドライバーなどで押さえて傷口の凸凹を平にし、
紙ヤスリ(#400~1000)等で磨いて糸が引っかからないようにお手入れをしていただくことで
改善する場合があります。
傷が深くて自分では直せない場合も部品の交換が出来る場所ですので
お気軽にお問い合わせくださいませ。
縫えない時に理由が解らないまま何度も縫って糸を絡ませてしまうとミシン本体の故障にも繋がります。
きちんと原因を探し、症状が改善するまでは電源は入れずに手回しで縫い確認していただくことをお勧めします。