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アックスヤマザキ通信

布の噛み込みを防止する

こんにちは。
ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。
今回のお話は、第一回の布を噛み込んだ場合の続きのお話です。
噛み込んでしまった時に、適切に対応しミシンの故障を防ぐことは大切です。
でも、布を噛み込まないようにミシンを扱えればもっと良いですよね。
どうして布を噛み込んでしまうのか?について少し掘り下げてみましょう。
【垂直半回転釜(すいちょくはんかいてんがま)】のミシンを例にご紹介させていただきます。

布を噛み込んでしまった場合ですが、はずみ車も動かない状態ですと
針が内部で曲がってしまい釜と引っ掛かっている事があります。
つまり、針が釜に当たって傷が出来ている事が多いのです。

通常は針は中釜の手前に下ります。

が、生地を後ろに引っ張ったり、何か噛みこんだり、段差を縫ったりしたときに
針が曲がって後ろにそれる事があります。

その時、中釜に当たった針はそのまま後ろに反れ釜の後ろ側で引っ掛かってしまいます。

中釜に傷が出来ていると、糸絡みの原因にもなりますので紙ヤスリ等(#400~1000)で磨いて取り除いてください。

では、この布を噛みこんでしまう状態を未然に防ぐにはどうしたらいいでしょうか?

噛みこみはほとんどが縫い始めで起こります。(原因によっては別の場所で起こることも有ります)

縫い始めの噛みこみを再現してみました。
縫い始めに一針布に針を落としたところ、
針板の穴に引き込まれてしまっていますね。

特にニットや薄地のように柔らかい素材は噛みこみやすいので注意が必要です。

針が刺さる時に押されて、穴の中へ生地が入りこんでしまうのですね。
最初にこの状態になってしまっているので、ここからスタートさせても上手く布が送られず
糸が絡まってしまい、針が曲がって噛みこんで外れなくなる。
という状態になります。

縫い始めの布が針の穴に落ちないようにするには

この様に、上下の余り糸を後ろに持ち、矢印の方向へ引っ張りながらスタートさせます。
糸はスルスルと出てきますので針は真っ直ぐ下り、布は糸に引っ張られて上手に送られます

糸ではなく布を引っ張ってしまうと針が曲がる原因になりますので布は引っ張らないよう気を付けてください。

縫い始めだけ糸を持ってあげれば、後はスイスイと送られていきます。

布の噛みこみ防止には、他にも「紙を下に敷いて縫ったり」「直線専用の針板を利用する」等の方法があります。
お持ちのミシンや布の状態に合わせて、色々縫い方を工夫してみてくださいね。

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