こんにちは。ミシンメーカーアックスヤマザキの櫃本です。
本日は前回に引き続き、ミシンの修理をご紹介させていただきます。
一度に書くと長くなってしまいますので、分けてお送りします。
本日ご紹介させて戴く機種は山崎範夫のミシンです。
当社の取り扱っている機種の中でも永くご愛用戴いている方が多いモデルだと思いますので、是非ミシンを扱う時の故障やトラブルを防ぐ参考にしていただければと思います。
先ずは、届いた状態ですが、きちんと発泡スチロールに梱包いただけています。
せっかく丁寧に梱包頂いていましたが、開けてみると、
糸立て棒と糸がセットされたままとなっておりました。
ミシンの種類によっては、糸をセットしたままでも大丈夫な場合もありますが、
このミシンは糸立棒が取り外し式になっております。
このようにセットしたまま梱包してしまうと、糸立て棒が曲がってしまいます。
糸立て棒が曲がってしまうと、ボディと糸コマ押さえが接触し糸がスムーズに出なくなってしまう場合があります。
糸が引っ掛かり糸調子が乱れる原因に繋がってしまいます。
また、運送途中に糸立棒が破損してしまう場合もありますのでミシンを箱に収納するときはご注意ください。
さて、本題です。
今回のミシンの修理内容は、
久々にミシンを使ってみたら糸調子が取れない。
上手く縫えない状態との事です。
釜の中からボビンケースを取り出してみると。。。。!
ボビンケースが錆びていました。
ボビンケースが錆びていると、糸調子はどうでしょうか。。。
引っかかっている様で、なかなか糸が出てきません。
画像の通り、綿ぼこりも出てきております。
糸調子バネを取り外してみますと。。。
御覧の通り、糸が通り抜ける「糸口」への道も錆びていました。
この状態では錆に引っ掛かってしまい、糸がスムーズに出てきません。
そこで、ボビンケースを「スポンジヤスリ」で綺麗に磨いてみました。
磨き終わったボビンケースは錆びがなくなって元通り糸の流れもスムーズになりました。
さて、今回のこのボビンケース。
錆びてしまった原因は何だと思いますか?
私も初めは解らず、修理士の方に教えていただきました。
【答えは】
素手で使用したボビンケースには、汗や手アカがついてしまいます。
そこに糸(特に綿糸)を入れたままにして置くと、糸が空気中の水分を含みます。
そのまま長期間放置してしまうと、水分とボビンケースについた、汗などの塩分から錆びが発生してしまいます。
釜の中も掃除されていないと綿ぼこりが水分を含みますのでケースの周り、釜の内側も錆びてしまいます。
との事です。
糸は長期間入れっぱなしにしてはダメなんですね。
塩分と水分。。。海風に吹かれたみたいに錆びついてしまいますね。
私も、普段は糸を入れたままにしておりました。
今回はとても勉強になりました!
このミシンの調整はもちろんこれだけではありません。
続きの修理調整は、また後日ご紹介させていただきます。